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【大人が出逢う、東京古着】高円寺・那由多が教えてくれる、1着が持つ可能性


高円寺駅南口。パル商店街から一本入った路地にあるお店「那由多(なゆた)」。目印は“横顔”。看板に描かれた女性の絵は、メンズ店舗のスタッフさんの手描きだという。
繊細で、情熱的で、清々しくて、時に大胆。“横顔”を多く持つ女性が知っておいて損はない、素敵なお店だ。



長方形に伸びた店内は、すっきりと心地の良い抜け感が印象的。
決して服の量が少ないわけでも、極端に建物内が広いわけでもない。
空間。まさにその言葉通り、工夫を凝らして、空きや間が作られている。
余白があることや、自分の中に余白を持っておくこと。そのことがとても重要に思うようになったのは、大人になったからかもしれない。
行間や沈黙こそが核心を浮かび上がらせるように、大切なものが研ぎ澄まされていく気がする。



「こういう形に内装を変えるのは結構な挑戦でした。お客さまにとっては目隠しがあった方が心地いいんじゃないか、落ち着いて服を選べる空間ってどんなんだろう、とか。色々悩んで決めました」
そう語るのは、店長を務める小堀美穂さん。「那由多」は、同じく高円寺にある古着屋「CORD」のレディース専門の姉妹店として2014年にオープンした。両店のオーナーは旦那さんである五郎さん。レディースの「那由多」は主に美穂さんが切り盛りをしている。
柔らかいムードをまとった、とっても可愛い、ドキドキしてしまう素敵な人。そして、この空間がピタリと似合う人だった。





こだわりの内装に使われている装飾品たちは、買付の時に直感が動いたものを選んでいるという。
「お家も可愛くしたいけど、やっぱりついお店の方に力が入ってしまって」
夫婦でお店を持つって、お家がもう一つあるような感覚なんだろうか。
互いの魅力が融合した、第二のお家。



年代やジャンルなどは細かく問わず、一番重きを置いているのは、生地感やシルエット。柔らかくて気持ちがいいとか、着ていてしっくりくるとか。「心地がいいか」という部分が何よりも大切だと美穂さんは言う。
ソフトなムードの中にも、決して曲がらないような芯の強さを持った人なんだ、と美穂さんの“横顔”に気づく。



セレクトも空間然り、とことんお客さんサイドに寄り添ったお店の哲学が反映されたアイテムたちは、どれも惚れ惚れしてしまうほどに可愛く、時に美しい。
キュッとした切り替えとフレアが存在感を際立たせているシャツ、柄は大胆だけど、ゆったりとしたシルエットが女性の持つたおやかさも忘れないヴィンテージワンピース。



買付は、両店ともに2人揃って選ぶというのが小堀さん夫婦流。
メンズ目線ならではのレディースセレクトが所々入っているのも那由多の強みだ。女性の持つあらゆる魅力と可能性を引き出してくれるセレクト。まさに、2人のセンスがお店を作っている。





タウンユースだけでなく、シューズやヴィンテージのアクセサリーなど、スタンダードにも、フォーマルにも使える小物も揃うのも嬉しい!
定番だけど、ちょこっとクセありのフォルム。パーティーシーンに差をつける、アンティーク感漂う上品な輝き。
こういうものを古着屋さんで上手に見つけられるようになった時、きっと、古着巡りはうんと楽しくなる。



那由多に並ぶ、二人に選び抜かれた洋服を眺めながら、1着の持つ可能性について考えた。そして、思った。
それはそのまま、私たちそのものの可能性なのだと。
繊細にも、情熱的にも、清々しくも、時に大胆にもなれる私たち。



似合う色なんて、1日おきに変わるのかもしれない。
魅かれる色はもしかしたら1秒おきかもしれない。
人が人と出会って、自分の新しい可能性を見つけるように。
誰かに恋をして、いろんな横顔を持つように。
ともに歩む人を決めた時に、また一つ人生の色が濃くなるように。
そして、それでいいんだと背中を押してくれるようなお店に出会えることもまた、私たちにとっては大きな可能性だ。
 


ヴィンテージワンピース  ¥16,800+tax


ブラウス ¥7,800+tax


アウター ¥7,800+tax

 

Photo:Kayo Sekiguchi
Edit:Namiko Azuma
Text:Miiki Sugita

 

INFORMATION

 

那由多(なゆた)
住所:東京都杉並区高円寺南3-56-1
電話番号:03-6854-4230
営業時間:12:00~20:30
定休日:不定休
Instagram: @nayuta_tokyo