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【大人が出逢う、東京古着】 夜の帰り道にこそ立ち寄りたい、三軒茶屋ZIG


お昼に取材をして、服を1着買って、また夜にも来てみたいと思った。
とくに仕事が大変だった日の、1日の終わりのご褒美の1着。
そんな自分的こじつけをして、素敵な服をもう1着ここで買いたいと思った。



三軒茶屋駅から徒歩7分。
三軒茶屋と下北沢、東北沢を結ぶ茶沢通りにそのお店はある。
ZIG(ジグ)。古民家さながらの、木の造りがなんともムーディーなお店。
1日の終わりが少し見え始める15時から、日付が変わる24時まで開いている、忙しい大人に優しいお店だ。



お店に入ると、入り口を背に左側にメンズ、右側にレディース、
そして、中央にはそれぞれが1ラックずつ置いてある。



誰がどれを手に取ってもいいような自由さと、混ざり合うそれぞれの魅力。
どの洋服もお店のそんな世界観とメッセージを体現しているかのようで、見惚れてしまう。



ZIGのオープンは2015年。
オーナーでメンズのセレクトは谷口真央さん、レディースのセレクトは奥様の麻衣さんが行っているという。
「レディースの細かい柄のあんばいや、絶妙なサイズ感。そういう胸を打つピンポイントさはやっぱり女子にしかわからないなって思っていて…」



大ぶりな袖とキュッとしまったウエスト、透けそうに繊細だけど、網目はしっかりした頼れるレースアイテム、とびきりガーリーなスカートと合わせたいジャージトップス。要所要所に女心がしびれるセレクトだ!
麻衣さんには会えなかったけれど、とてもセンスのいい人なんだろうなあと、洋服を眺めた。



ZIGは、Zから始まる言葉がいいという、なんとなくの直感から生まれた造語だ。
その言葉が、日用ではないものの、英語で“気だるい”と言う形容詞として存在していたことは、後でわかったことだという。
「ここにいる3人は、どこか気だるそうな人ばっかなんで、いいかなあと」と真央さんは笑う。
現在、お店は谷口さんご夫妻とスタッフの松尾さんで切り盛りされている。




「覚えやすくて、呼びやすい。略すことなくZIGはZIG。気に入っています」
ZIGはZIG。それは、お店のオリジナリティをそのまま表したような表現で、とても素敵だった。



もともとこの物件には、天井があった。
お店を決めた時に、たまたま一部分が抜けていて、ふとその奥に見えたこの木の雰囲気に魅せられて、天井をぶち抜いたのだという。
あと一歩、むき出しに。もう少し、あるがままに。
自分の直感に素直で、剥き身でいることは、服を選ぶことにも通じる気がする。



「夜の帰り道にこそ立ち寄りたい」そんなタイトルをつけながら思う。
“帰り道”でも本当はよかった。でも、“夜の帰り道”がとくにいいと思ったのだ。何だか、大人に許された特権のような気がして。
昼よりも自由で、ちょっと謎めいて、少し隙があって、私たちを素直にさせる夜。そんな夜こそ、このお店で今まで持っていなかった艶っぽいワンピースとか、逆に普段は着なかったオーバーサイズのメンズ服とか。
これまでの自分史からは一線を画すような服。
そんな1着にこそ、さりげなく出会いたい。



仕事がさばききれなくて、お昼もろくに時間を持てなかった日の夜でもいい、
飲み会帰りで少し酔っ払って遠回りした夜だっていいし、なんとなくふと散歩に出た、その途中でもいい。
今日は買い物に行くとか、明日服を買おうとか、そうじゃない日があってもいい。だって、大人が出逢う服、って、つまるところ、そういうことなんじゃないだろうか。
このお店に出会って、そんなことを改めて思った。



ワンピース ¥16000+tax、ベルト ¥7300+tax

 


ヴィンテージチュニック ¥23000+tax



トップス ¥7500+tax、ジャケット ¥12000+tax



Photo:Kayo Sekiguchi
Edit:Namiko Azuma
Text:Miiki Sugita

 

INFORMATION
 

ZIG

住所:〒154-0004世田谷区太子堂3-18-6 1F
電話番号:03-3413-8850
営業時間:15:00−24:00
定休日:なし

Instagram: @zig_usedclothing