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東京綺譚 〜草間彌生 わが永遠の魂〜


米誌TIMEが選ぶ「世界で最も影響力のある100人」にも選ばれる前衛芸術家、草間彌生。彼女が2009年に開始した「わが永遠の魂」と題されたシリーズ。500点を超えてなおも増え続ける一連の作品から、130点あまりが出品された展覧会が国立新美術館にて5月22日まで開催されている。アーティストのAzumiさんをナビゲーターに、本展の見所に迫ってみよう。





ドット柄でデコレーションされた「木に登った水玉 2017」や光の美しさを堪能できる作品など、会場の外からすでに展覧会は始まっていた。



広々としたメイン会場の開放感を、壁一面を覆う極彩色の絵画が圧力を掛けてくる。それらはすべて今回の目玉企画、「わが永遠の魂」の作品群。8年で500点以上という圧倒的ペースで創作され続けており、その約1/4が展示されている。











今回の展覧会は、2000年以降の作品を中心とした第一部と回顧展的にまとめた第二部の、2部構成となっている。初期の集積をテーマにした作品の数々やネットペインティングなど、彼女のあゆみをじっくりと堪能することもできる。





美術館に来ると作品をいろんな角度から見れて楽しい。アングルの決まった画集で見るのとは違って、自分なりの新たな発見に喜び浸れる。そういった理由から、立体作品があると「美術館に来て良かった!」と思ってしまう。ましてや今回の展示は、極めてアングルの“探りがい”があるものばかりなのである。





草間彌生の活動は幅広い。絵画、版画、立体造形、コラージュ、詞、インスタレーションと多岐にわたっているので、取っつきやすいところも彼女の魅力だ。本展覧会では映像作品、「Kusama’s Self-Obliteration 草間の自己消滅」が出店されている。



この原稿を書くに当たって本棚をあさってみたところ、2007年発刊の「STUDIO VOICE」VOL.374の中に、草間彌生の連載ページを見つけた。そこに綴られていた詩は、「草間彌生より愛のメッセージ」というタイトルとは裏腹に死の匂いに満ちていた。私が草間彌生に惹かれるのは、不安で覆われた感情の中に本能があぶり出されていると強く感じるからなんだと思う。特に本展に出展されている「天上よりの啓示」は、ミニマルに描かれた群衆の物語が想像できるほど、絵の訴えかけてくる熱量が圧倒的だ。私はこの絵が非常に好きで、初めて観たときは1時間半も見入ってしまった。それでもまだまだ飽きることなく楽しめる。そういった絵を私は他に知らない。



最後は、ナビゲートを努めていただいたAzumiさんからのコメントでお別れです。「草間彌生 わが永遠の魂」は5月22日まで。スケールの大きな作品を、生で見られるこの機会にぜひ。


圧倒的な死生観を魅せつけられた。 家業が種苗業という小さな粒への拘りがその後の逃れられない歩みとなり、幻聴、幻覚と戦いながらさぞかし生きにくい幼少期を過ごされたのだろうと思います。実際にご自分の眼で視えるものを映し出した作品の数々は、生と死のギリギリにある命を削りながらの表現。お若い頃の内包された性への欲求、深く激しく混沌とした作品と、近年の幼さも宿る削ぎ落とされた作品。この変遷は私の胸の深いところをキリキリと疼かせ、会場を一歩一歩進むたびに、草間彌生氏の人生を一緒に歩いているように感じられました。作品で描かれる◯はいつだって覗き穴のように、自分の心を見つめ直す◯のよう。幸運にもお姿を拝見することが出来ましたが存在そのものがシンボリックであり、「生きる」という覚悟を包み込むそのキュートなお姿に感動せずにはいられませんでした。もう一回観に行こう。これは歴史に残る希望です。

Azumi
HP: http://azumi.asobisystem.com
Twitter: https://twitter.com/azumiwyolica
Instagram: https://www.instagram.com/xx_azumi_xx/

LIVE information
日程:3月27日(月) 20:30頃〜(19時からの回上映終了後)
会場:高崎電気館( http://takasaki.film.gunma.jp/event/308/
*「函館珈琲」をご鑑賞いただいたお客様がそのままご参加いただけます
 

INFORMATION


国立新美術館開館10周年
草間彌生 わが永遠の魂
開催期間:2017年2月22日(水)~5月22日(月)
開催場所:国立新美術館 企画展示室1E
休館日:毎週火曜日
開館時間:10:00~18:00(金曜日、4月29日(土)~5月7日(日)は20:00まで)入場は閉館の30分前まで
観覧料:
当日/1,600円(一般)、1,200円(大学生)、800円(高校生)
団体/1,400円(一般)、1,000円(大学生)、600円(高校生)
すべて税込価格

団体は20名以上、中学生以下無料、障害者手帳をご持参の方(付添の方1名を含む)は入場無料
2017年3月18日(土)~3月20日(月・祝)は高校生無料観覧日(学生証の提示が必要)

草間彌生 わが永遠の魂
http://kusama2017.jp