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【大人が出逢う、東京古着】高円寺の「ガイジン」「黒BENZ」で 直感に出逢う【前編】


—名前のまだない柄のワンピースに袖を通すと、直感は加速した。 その猛スピードに乗っかって、私たちは恋や夢を駆け抜けた。 時の流れも同じくらいに速かった。 1度流行りを迎えて名前がついたあの柄のワンピース。私の髪の色は、あの頃に比べるととても暗い。昔とは少し違った雰囲気を纏いながら、袖が揺れる。 あの閃光のような青春と地続きの今を、私たちは生きている。 愛おしいものを両手で抱きながら、直感は今日も加速する。


「大人が出逢う、東京古着」で絶対に訪れたかった2つの古着屋さんがある。 高円寺にお店を構える「黒BENZ」と「ガイジン」。それぞれで、メンズとレディースを扱い、どちらも根強いファンを多く持つ、二つとないお店だ。




オーナーは新保泰治さん。学生時代から古着一筋の泰治さんは、古着屋さんでのアルバイトやバイヤーを経て、お店を立ち上げたそう。
奥さまの絵美さんは、デザイン事務所と喫茶店を経て、ガイジンの店長になったというアーティーかつユニークな経歴の持ち主。学生時代から高円寺界隈の古着屋オーナー達と仲が良く、オープニングのお手伝いや助っ人アルバイト、ある時は買い付けなども経験したという。



初めにオープンしたのは、黒BENZ。お店の名前を考えていたときに、近くに黒BENZが止まっていたことから、命名をされたとか。



「なんかすごくしっくりきて、そのまま決めちゃいました」 そんなオーナーのブレない感覚は、お店の名前のみならず、アイテムのセレクトや店内のディスプレイなど、そこかしこに溢れていた。
コンセプトは「 Desperado in the world(世界のならず者)」だ。




スタンダードなカラーだけど、どこかちょっと変わったトップス。
味のある色合いのブーツは、履いたら、忽ち好きになる。「あ、なんか好き!」真っ直ぐな感覚は、装いが体に馴染む最速で最良の秘訣かもしれない。
ならず者でいいじゃないか。黒BENZは、いつも直感の背中を押してくれる。



泰治さんはデザイン学科のご出身で、昔から絵を描くのも好きだったという。元々大学の後輩だった絵美さんが、1番最初に泰治さんを知るきっかけになったのも絵だったとか。
本人に会うより前に、卒展で見かけた泰治さんの絵に惹かれたという、なんともロマンティックでセンシティブな出会いだ。
その感性を生かして、現在もオーナー業の傍ら、イラストレーターとしても活躍されている。



スニーカーやキャップ、キッズTシャツなどアイテム展開も多岐にわたる。ファニーな表情とフォルム、愛らしさ。泰治さんが命を吹き込むゴーストは、大人にも子どもにも大人気だ。黒BENZには、貴重な原画もディスプレイとして飾られている。
 


ゴーストに見送られながら、黒BENZを後にしてガイジンへ。
2つのお店は距離も近く、商店街を横切るとすぐそこにある。
世界観は一転、柔らかな光が優しい色合いを包み込む。



シンプルなワンピースにあしらわれた程よいレース。どこまでも繊細な小花柄。小ぶりだけど存在感のあるアクセサリ。大人だからこその甘さがそこにはある。「乙女心って永遠だ」ガイジンに来ると、そう思わずにいられない。



 

絵美さんは、どんな質問にも、とても丁寧に言葉を選びながら話してくれた。
きっと、ガイジンに並ぶ洋服を選ぶ時もそうなのだろう。
「気持ちだけはあるけれど、まだどこにも具現化されてないもの。みんなそれを探してるんじゃないかな。だから、そういう“気持ち”という、見えないけれど一番信じられる部分に添えるような服を探したい。そうやって自分も探すから、お店に来てくれる人もそうなんじゃないかな、という哲学のもと」(絵美さん)



ガイジンには、元スタッフさんがデザイナーを務めるセレクトアイテムも多くある。



「右はanccoちゃんのイラストTシャツ。元々は常連さんで、そのうち絵を見せてもらうようになって…。Tシャツにしてみない?って、声をかけてみたんです。その後はスタッフとして4年働いてくれました。左は庄司佳那ちゃんのもの。スタッフだったわけではないんですが、よく知っているイラストレーターさん。彼女もすごく高円寺が好きなんですよ」



「古着ってどうしてもレディースのパンツ、特にデニムのピックが難しくて。海外の方と日本人の体型があまりに違うので、ワイドすぎたり、丈が長すぎたり。でもこのdearie dadaのデニムは古着にしかない良さを知った上で、日本人に合うようにデザインに落とし込んでいて。小柄でも着られるのでお客さんの中でも大ヒットしてます。みよちゃん(デザイナーさん)本当にいいとこついてるんです」




「これは潤ちゃん、黒ベンツで6年働いてくれた子のブランドdesperateです。古着のTシャツにさらっと合わせたりできるようなボトムを作ってくれています。みんな、古着っていうベースがありますね。そこに、それぞれにしかない味や色を出してくれる」

人の感性が息づくお部屋のような空間。
1人1人の顔を思い浮かべながら話してくれる絵美さんを見て思った。
お店には、人との出会いや縁が詰まっているのだ。それは、ファッションという形で、いつまでも繋がっていく。


>> 【後編】はこちら

 

INFORMATION

 

黒BENZ

住所:〒166-0003 東京都杉並区高円寺南4-24-12
TEL:03-5306-2033
営業時間:13:30〜20:30
定休日:なし
HP: http://yaplog.jp/clobenz/
Instagram:@clobenz_official