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【8月公開の注目映画】編集部のおすすめ5選


©2016「花芯」製作委員会


1.『花芯』

1957年、ひとつの小説によって、その後の5年間文壇的沈黙を余儀なくされることになった作家がいた。小説の名は『花芯』、作家の名前は瀬戸内晴美、のちの瀬戸内寂聴である。

その衝撃作が時を超えて今、映画になる。
「『花芯』は活字になるなり、子宮作家、エロ小説と、悪口雑言を受け、それに名もない作者私が反抗したため、その後五年間、文学雑誌から干された小説。私にとっては、この一作の不幸な運命のため、かえって六十年余にわたる小説家の生活がつづいたという因縁の作品である」(瀬戸内寂聴)

監督は、これまでも激しくも脆い恋愛を描いてきた安藤尋。主演は村川絵梨。子宮の命ずるまま生きるという難役を体当たりで演じ切り、「主人公の全裸体の美しさ、身体を張った捨て身の演技の迫力に感動!」と原作者にも言わしめた。彼女の新境地も見どころのひとつだろう。

花芯は中国語で子宮という意味! 静寂な中に燃えたぎる情愛、時代に反逆してまで貫かれる性愛、叫びにも似た肉体の悦び、愛欲。女の芯から溢れ出す“愛”は、どこへ行き、どこへ還っていくのだろうか。女性はもちろん、女性と対峙して生きる男性にもその行方を見届けてほしい。


▼あらすじ
「きみという女は、からだじゅうのホックが外れている感じだ」――それが園子の恋人・越智の口癖だった。園子は、親が決めた許婚・雨宮と結婚し、息子をもうけていたが、そこに愛情はなかった。ある日、転勤となった夫について京都へ移り住んだ下宿で、夫の上司・越智と出会ったのだ。生まれてはじめての恋に戸惑いながらも、自身の子宮の叫びは次第に大きくなり抑えられなくなっていく――。

▼Information
『花芯』
8月6日(土)よりテアトル新宿ほか全国ロードショー

原作:『花芯』瀬戸内寂聴著(講談社文庫刊)
監督:安藤尋
脚本:黒沢久子
出演:村川絵梨、林遣都、安藤政信、毬谷友子 配給:クロックワークス
製作:東映ビデオ、クロックワークス


公式HP: http://www.kashin-movie.com




© 2013 Productions Miraculum Inc.


2.『神のゆらぎ』

『マイ・マザー』『わたしはロランス』『Mommy』…繊細で難解な人間を、圧倒的でありながら儚い色彩で映し出す若き天才監督グザヴィエ・ドラン。陰影や湿度すら伝わってきそうな克明な描き方、1シーン1シーンの感情に巻き込まれる感覚、思わずため息が出てしまう。

その感性を以って、若干二十歳で彗星のごとく映画界へ現れた彼には、俳優としての顔もあった。「ただ待っていてもやりたい役のオファーが来ないので自分で自分に役を与えるために監督になった」。あるインタビューでそう語った彼が、自ら出演を熱望した映画が公開される。『神のゆらぎ』だ。

物語は、エホバの証人であるヒロインが信仰と命との葛藤の末に苦渋の決断を下すまでを追う。宗教の制約から恋人にさえ輸血を拒み、死ぬことをよしとする。彼が演じるのは、ともにエホバの証人であるヒロインの恋人役だ。

「時に人はただ奇跡が起きるのを待つしかない」「神さまのきまぐれを、私たちは奇跡と呼ぶ」作品に添えられた2つの言葉が交錯する。果たして、人間の選択や決断は、神や奇跡をも凌駕することができるだろうか。これは、信仰や命を通して人間そのものを問う、真の意味での“ヒューマン”映画だ。

▼あらすじ
ともにエホバの証人である看護師と、末期の白血病を患うフィアンセ。老境にありながら情熱的な不倫を続ける、バーテンの男とクロークの女。互いへの失望を偽りながら暮らす、アル中の妻とギャンブル狂の夫。そして取り返しのつかない過ちを償うためドラッグの運び屋となるひとりの男…。複数のものがたりが現在と過去を往来しながら、終着点—墜落する運命にあるキューバ行きの機内へと向かう…。

▼Information
『神のゆらぎ』
8月6日(土)カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2016@新宿シネマカリテにてプレミア公開 ほか全国順次公開

監督:ダニエル・グルー
脚本:ガブリエル・サブーリン
出演:グザヴィエ・ドラン、マリリン・キャストンゲ、ガブリエル・サブーリン、ジャン=ニコラ・ヴェロール、アンヌ・ドルヴァル

公式サイト: http://kaminoyuragi.com


 


ⓒ2016 Team "KEN SAN” kensan-movie.com


3.『健さん』

2014年11月10日、日本が誇る稀代の名優がこの世を去った。健さんこと、高倉建だ。戦後の銀幕を彩り、観客の心に、とてつもなく強い風を吹かせた。
—「自分、不器用ですから」「人生で大事なものはたったひとつ。心です」
数々の伝説や名言が後世に語り継がれるも、あまり語られたことがなかったその素顔。

国内外を問わず、多くの人から惜しまれたあの死から約2年。ついに、そのドキュメンタリーは公開される。その名も『健さん』。
「健さんからはシンプルであることの大切さを学んだ」(マイケル・ダグラス)「私が俳優に演技を付ける時は高倉健をイメージする」(ジョン・ウー監督)名優・監督陣のインタビューで浮き彫りにされる、新たな高倉健像と紐解かれる思い出たち。

監督の日比遊一は、若い世代に向けてもコメントを寄せた。『健さん』を知らない世代の人たちにとっても『映画俳優、高倉健』との忘れられない出会いになることを、から願っている、と。
また、スクリーンで健さんに会える歓び。そして、初めて会えるという歓び。 ファンはもちろん、あの頃の健さんを知らないからこそ、高倉健という俳優が彩った世界を、多くの人の心に吹かせた風を、直に感じる必要がある気がする。

▼あらすじ
あなたは本当の健さんを知っているだろうかー?2014年11月10日、日本映画のひとつの時代が幕を下ろした。“最後の映画スター”高倉健、逝く――1960年代のプログラム・ピクチャー全盛期に任侠映画のブームを牽引し、映画館に詰めかけた観客を熱狂させ、主題歌を合唱させ、時には男泣きさせた。スクリーンから発せられる圧倒的な存在感にふれた観客は親しみと敬意を込めて、こう呼びかけた――「健さん!」。しかし我々は“健さん”を本当に知っているのだろうか? 生前に限られたインタビューしか受けなかったこの不世出のスターの素顔は、わずかな情報の中でしか明らかにされていない。は何を考え、どう行動し、何を成し遂げてきたのか? 『健さん』はそんな疑問への答えを提示した初のドキュメンタリー映画である。

▼Information
『健さん』
8月20日(土)全国ロードショー

監督:日比遊一
出演:マイケル・ダグラス、ポール・シュレイダー、ヤン・デ・ボン、ユ・オソン、チューリン、ジョン・ウー、マーティン・スコセッシ、(50音順)阿部丈之・真子、石山 希哲・英代、今津 勝幸、梅宮 辰夫、遠藤努、老川 祥一、川本 三郎、佐々木隆之、澤島忠、関根 忠郎、立木義浩、中野 良子、西村 泰治、降旗 康男、森敏子、八名信夫、山下義明、山田洋次、中井貴一(語り)

公式サイト: http://respect-film.co.jp/kensan/

 

©2016「君の名は。」製作委員会

 

4.『君の名は。』

『秒速5センチメートル』、『言の葉の庭』…精緻な風景描写とすれ違う男女の物語を、美しい色彩と繊細な言葉によって紡ぎ出す気鋭のアニメーション映画監督・新海誠。待望の新作となる『君の名は。』は、夢の中で“入れ替わる”少年と少女の恋と奇跡の物語だ。

作画監督を務めるのは『千と千尋の神隠し』など数多くのスタジオジブリ作品を手掛けたアニメーション界のレジェンド、安藤雅司。キャラクターデザインには、新時代を代表するアニメーターとなった田中将賀を迎えた。

舞台は、千年ぶりとなる彗星の来訪を一ヶ月後に控えた日本。田舎町で暮らす少女と都会で暮らす少年。どうしたことか、彼女と彼は夢のなかで人生を交換することになる。世界の違う二人の、隔たりと繋がりから生まれる「距離」。その距離を飛び越えて、辿り着いた先にどんな真実が待ち受けて流のだろう。

遠くて近い、近くて遠い二人の距離。
「まだ会ったことのない君を、これから俺は探しに行く。」出会うことのない二人の出逢い、交わることのなかった人生。運命の歯車って、いつだって、分からないものだ。

▼あらすじ
山深い田舎町に暮らす女子高校生・三葉は憂鬱な毎日を過ごしていた。小さく狭い町で、都会への憧れを強くするばかり。「来世は東京のイケメン男子にしてくださ———い!!!」そんなある日、自分が男の子になる夢を見る。念願だった都会での生活を思いっきり満喫する三葉。一方、東京で暮らす男子高校生、瀧も、奇妙な夢を見た。行ったこともない山奥の町で、自分が女子高校生になっているのだ。二人は気付く。私/俺たち、入れ替わってる!? いく度も入れ替わる身体とその生活に戸惑いながらも、相手の人生を楽しみながら、状況を乗り切っていく。しかし、気持ちが打ち解けてきた矢先、突然入れ替わりが途切れてしまう。入れ替わりながら、同時に自分たちが特別に繋がっていたことに気付いた瀧は、三葉に会いに行こうと決心する。

▼Information
『君の名は。』
8月26日(金)全国東宝系にてロードショー

監督・脚本:新海誠
作画監督:安藤雅司
キャラクターデザイン:田中将賀
声の出演:神木隆之介、上白石萌音、成田凌、悠木碧、島崎信長、石川界人、谷花音、長澤まさみ、市原悦子
音楽:RADWIMPS

公式サイト: http://www.kiminona.com/




© 2014 Rise And Shine World Sales / Inkubator Limited / photo_Ida Larsson


5.『はじまりはヒップホップ』

耳慣れないリズムに、昔のようには動かない体。ひざも痛いし、持病もある。旅費もないし、パスポートもない。それでも彼らには勇気と楽しむ心がある。世界最高齢ダンスグループ、The Hip Op-eration Crew。『はじまりはヒップホップ』は、そんな人生大ベテランのダンサーたちの挑戦の日々に迫った、真実の物語だ。

ニュージーランドで公開されるや否やその奮闘に感動の声が途切れなかった。
各国のドキュメンタリー映画祭から上映のオファーが殺到し、サンタバーバラ国際映画祭では、観客賞を受賞した。「今が一番楽しい!」と人生を語る、前向きでチャーミングな彼女たちのメッセージは、笑顔と涙とともに世界に伝播する。

「覚悟を決めて、さあ行くわよ」
クールな衣装に身を包み、ステージに向かう彼や彼女の後ろ姿が教えてくれること。それは、少しの勇気が世界を大きく変えるということ。今を楽しむ心があれば、人生はより豊かになるということ。そして、いくつになっても、心は歳をとらないということだ。

「よう、ブラザー」仲間と握る手、鳴り止まないスタンディングオベーション。“心が踊る”という感覚は、まさしくこういうことなのだろう。最高で最強のステージを目前に、きっと立ち上がらずにはいられない。

▼あらすじ
ニュージーランド・ワイヘキ島。のどかな島で誕生したダンスグループの平均年齢はなんと83歳。94歳のスターダンサーに元軍曹、主婦歴70年のベテラン、杖が相棒の人もいれば、目がほとんど見えない人も…超個性的なメンバーたちは、振り付けを決めるのも一苦労。そんな彼らの目標は、エンターテインメントの最高峰・ラスベガスで行われる世界最大のヒップホップダンス選手権に出場すること! 悪戦苦闘もジョークで笑い飛ばしながら、前途多難な道を夢のために一直線に進んでいく!

▼Information
『はじまりはヒップホップ』
8月27日(土)公開

監督:ブリン・エヴァンス
出演:The Hip Op-eration Crew

公式サイト: http://hajimari-hiphop.jp/