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【大人が出逢う、東京古着】 中目黒の「H(アッシュ)」で見つけるハイセンスな1着

11年前、それはまさしく、“大人の女性のための古着屋”として、オープンしたお店がある。中目黒と代官山のちょうど真ん中くらい、大通りを1本入ったところに店を構える「H(アッシュ)」だ。



目印は、お店の2階あたりに付けられている、スポットライトのようなロゴオブジェ。お昼時でも、それはまるでステージを照らしているように見える。キャストはもちろん、ガラス越しにスタンバイする色とりどりの洋服たち。
High quality、High sense、Human、History、Heart、Handmade。
物語のキーワードは6つの「H」だ。



扉を開くと、そこには花が咲いていた。視線が自然と天井へ向くほど、鮮やかな大輪。こうして仰いで見ると、幾重にも重ねられたパニエの生地は、繊細な花びらそのもの。






迎えてくれたのは、バイヤーであり、副店長の藤村さん。
この服はこの人にしか似合わないのではないだろうか。初対面だけれど、そんなことを咄嗟に思った。和服のようにも見えるユニークなテキスタイルが、肌や髪に馴染んでいて、独特のムードの中にも、とてつもない柔らかさをまとった人。そして、服の中にいるのがとても似合う人。






「元々の古着との出会いは何だったんですか?」口をついて出てきた質問に、藤村さんは笑顔で答えてくれた。
「古着を着るようになったのは、中学の頃からでした。その時から、将来は古着屋でやっていくて決めていたんです。初めて古着を手にした時の、あのときめきは忘れられません。その時の服は、今も持っていますし、時々着ていますよ」



藤村さんは、まるで触りながら話しているかのように、その古着を買った街、色や形や素材について、とても細かく教えてくれた。
“Human”と“History”。服の歴史は、人に付随するもの。
古着の魅力とも言える、この法則をより強く感じた。



お店の歴史についても、とても面白い誕生秘話があった。
なんと、本来はオーナーさんのお家になる予定だったというのだ。 「アッシュは元々、JUMPIN’ JAP FLASHというお店から派生したお店なんです。当時まだアッシュがなかった頃に、お店に近い場所に自宅をと、オーナーがこの場所を見つけて…。その頃、女性のお客さまも増えてきており、いっそお店にしよう!ということになり、レディースアイテムに特化したアッシュが誕生しました。当時は今よりも周りに何もなくて、本当に住宅街の中にお店ができたっていう感じでした」
お家をお店に。そういった感覚が、お店のそこかしこに点在していた。





階段を上ると、1階のカジュアルな雰囲気とは打って変わって、ロマンティックなムードに。温かみのあるライト、ピンクのカーテン。
より、“レディ”に近づけるようなハイセンスなワンピースや、白いブラウス。



 


古い年代のものや、繊細な生地感のもの。どれもがとても綺麗な状態で残されていることに驚いた。まさしく“High quality”な古着だ。
「デザインはもちろんですが、クオリティをとても重視しています。セレクト段階でのシミやダメージチェックをはじめ、こちらについてからのメンテナンスにも力を入れています」



used前開きワンピース¥12,500+tax
usedシルクトップス¥8,000+tax
originalワイドデニム¥18,000+tax


「あと…」と付け加えて藤村さんは言った。
「これは他のバイヤーさんもそうだと思うんですけど、顔が思い浮かぶんですよ。あの人に似合いそう。この柄絶対好きそう。そういうのものは、迷わず買いつけるようにしてます」
そんな人の心が通った服を着られるなんて、なんて嬉しいことだろう。 古着でありながら、気分はもうオーダーメイドだ。
今着ている古着、明日着る古着にもそんな“Heart“が宿っていたなら最高。




 


様々な柄で織り成された巾着バッグ。
アッシュならではのアイテム。直感でそう感じた。
「それは、古着のラグを使ってオリジナルで作っているんです。柄はもちろん色々ありますが、同じラグでも裁断する部分で微妙に違ったりして、それがまた面白いんですよ」
人が大切に手をかけてくれたものは、素直に嬉しい。
シンプルだけど、それが“Handmade”の真髄だと思う。



remakeラグ巾着バッグ¥10,000+tax
バッヂ大¥1,000+tax、小¥800+tax

 

ラック毎にジャンルが分かれた洋服たちを眺めながら思った。
ここに足を運ぶ人それぞれに、きっとその日の運命のラックがあるはず。

「お店自体がとても幅広いテイストを扱っているというのもありますが、私自身、年代やジャンルにとらわれずに、色んなものを着ていますね。多分、軸にぶれない部分はあるんですけど、これ!と決めちゃうと服装ってつまらなくなる気がして…。新しいものにも挑戦していくタイプです(笑)」

そうだ。何もないところから何かが生まれるのは、いつだって挑戦からかもしれない。自分らしさだってそう。
自分をより自分にしてくれる服。“High Sense”とはそういうことかもしれない。この2階建てのどこかのラックに、そんな自分だけに当たるスポットライトのような、とびきりの衣装がきっとある。
ヒロインは“私”、物語は未知数だ。


 

INFORMATION

▼H(アッシュ)
〒153-0061 東京都目黒区中目黒1-2-15
TEL :03-3793-7757
営業時間:12:00~20:00
定休日:なし
HP: http://www.jumpinjapflash.com/h/
Instagram: @HUSEDVINTAGECLOTHING